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2019.08.07 Wednesday

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    水島石根さんとアトリエやま

    2010.09.03 Friday

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      木津川アートの鹿背山エリア、
      ここに「アトリエやま」があります。


      photo: Tadashi Hayashi


      彫刻家 水島石根(いわね)さんのアトリエであり、
      ご兄弟の直春(なおはる)さんの芸術専門の鋳造工場もあり、
      また登り窯や乾漆の工房もある、
      芸術のためにある夢のようなところです。

      いつも誰かが訪れていて、賑やかでもあります。
      たぶん、このやまがなければ、「木津川アート」をしようと誰も言い出さなかった。
      過言でも何でもなく、それぐらい木津川市にとって大切な場所です。

      ここで多くの芸術家達が出会い、何かを感じて、何かをつかんでいったように、
      木津川アートが、何かを産み出せればいいな、と思います。
      そういう理由で、
      石根さんは、木津川アートの審査員のお一人なのです。


      その日訪れたときのこと、
      やまはシーンと静寂そのものでした。
      蝉の鳴く音だけが遠くから聞こえてきます。

      「誰もいないのかな?」
      そうっと陶芸の工房へ行ってみると、
      石根さんが一人何かをされていました。



      「元興寺さんに納めるカエルを作ってるんよ」と石根さん。
      「へ〜、初めて見ます」

      普段はよくお話になる石根さんが、黙々と作業をされています。
      声をかけるのが憚られる雰囲気。
      相変わらず、蝉の鳴き声のみ。
      よく冗談を言い合う仲なのに、こういう雰囲気は初めてです。
      なんか、厳粛な空気が流れていました。


      型から出したカエルを合わせただけのカエル。

      その日は、そんな静かな時が流れました。

                ●


      窯に入れられる前のカエル。

      また違う日に訪れると、カエルは火に入る前でした。


      日干しされるカエルたち。
      なるほど、こうやってみると、カエルの形をした鈴だとわかります。



      「あ〜、こんなにつくるのですね。」
      「そうだよ、1000個作ろうと思ってる。」

      石根さんは、チリの
      シェルターに閉じ込められた人達が「無事にカエル」ようにと祈りながら、
      木津川アートがみんなにとってたのしいものになるようにと祈りながら、
      ひとつひとつをつくっているのでした。

      「でも、この目のついているのは?」
      「100個に1個の割合で、他と違うカエルを紛れ込ませている。
       楽しいでしょ?」

      今年70歳の石根さんは、私たちからみたらお茶目なおじいちゃんですが、
      東京芸大彫刻科を主席で卒業されたのち、
      半世紀、乾漆・テラコッタ・ブロンズなどの彫刻の制作に打ち込んでこられました。
      裸婦の立体、レリーフ、絵画などが、アトリエや工房、庭のいたるところに見られます。




      石根さんの作品集から



      東大寺とのつながりも深く、
      仏像、観音像の制作もされているようです。



      「カエルできたよ〜」
      今日、できあがりを届けていただけました。



      私の名前と石根さんのサインの入った特注カエル。
      振るとチロチロと鈴が鳴ります。
      土の素朴な音です。


      ひっくり返すと「元興寺」の印が。

      もう大感激です。



      福かえる縁起 と題された巻物付き。
      なになに、
      元興寺に伝わる「蛙石」の所以が書かれています。

      他にも、木津川アートでボランティアでがんばってくれた女の子にも
      100個に1個の特注カエルをいただきました。
      頑張れば、何かいいことあるね!



      これを「木津川アート」のお守りとして、
      大事にいたします。

      石根さん、ありがとうございました!


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        • by -
        • 2012/10/19 3:38 PM
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